こんにちは、マーケターのエルモ(@elmo_marketing)です。
ニッチインフルエンサーに話を聞くインタビューシリーズ第2弾!
今回のゲストは、「家なんかにお金をかけるな!質を担保しろ!」をテーマに、家づくりコンテンツをYoutubeやブログで発信されているBE ENOUGH代表の瀬山(@seyaman39)さん。
ライフステージが上がるタイミングで多くの人が一度は検討するであろう「家づくり」。
しかし、巨大な市場ではあるものの、アフィリエイト案件はほとんど存在しておらず、個人でのマネタイズが難しいジャンルと言われています。
そんな市場で、瀬山さんはどのように「家づくり」を切り口にマネタイズしているのか?
また、古い慣習がいまなお残る住宅業界で、どのように新しい価値を提供しているのか?
ここでしか聞けない住宅業界の暴露トークやソーシャル発信のコツまで、ざっくばらんにお伺いしてきました!
実はYoutubeで家づくりを発信するのは、もはや一般的?!
早速ですが、「せやま印工務店(家づくり検討中の施主を認定工務店に紹介する事業)」を始めた理由についてお伺いしたいと思います。
SNSで家づくりを売るってすごく珍しいと思うんですけど、どうなんでしょう?
工務店がソーシャルメディアで集客をするっていうのは、実はもうどこもやっています。
え、そうなんですか!!
じゃあ、家づくりの情報収集もSNSが主流だったりするんでしょうか?
てっきり、住宅展示場に行くものだと思っていました。
そうですね。
ろくに勉強せず雰囲気に流される人は、たしかにハウスメーカーで今でも家を買ったりしますね。みんな一度は通る道かと思います。笑
(家なんて一回しか買わないから大問題なんじゃ・・・・笑)
今、Youtubeの登録者数が2.9万人じゃないですか。既にトップ層なのかなと思うのですが、Youtubeで家づくりコンテンツを始めたきっかけを教えてください。
トップ10には入っていますね。ニッチな分野なので、10万人を超えている人はいないと思います。
このビジネスを始めたきっかけは、1:1でお客さんに家を売っていくことに限界を感じたから。6年間住宅会社で働いて、もっと日本全国の施主に対して影響力を持ちたい…!!という思いが湧いてきて、起業したいなと。
それで、最初はブログを作って、アフィリエイトをやってみたというのが始まりです。
おお、なるほど。
それでいうと、そこからビジネスモデルが変わっていったわけですね。
いえ、そんなことはなくて。実は今やっていることは、ビジネスモデル的にはアフィリエイトと同じなんですよ!
ただ、集客するメディアはもちろん、施主を紹介する工務店も全部こちら側でコントロールしています。
え、どういうことですか??
詳しく教えてください!!
アフィリエイトのビジネスモデルを全て自分で構築する
最初はアフィリエイトを考えてみたものの、紹介先の工務店がクソみたいな会社ばかりだったんです。笑
このままその工務店を紹介し続ければ、一次的には儲かるかもしれないけど、全く施主の役に立てないし、自分のブランドも毀損されていくだけ。これはあかんなと。
では、通常のASPを通してのアフィリエイトはしていないってことなんですね。
そうです。
僕、YouTubeでは面白おかしく振舞っていますが、根はくそ真面目なので、せっかく紹介するなら良い工務店を紹介したいなと思って。
工務店を探してみたんですけど、全然良い工務店がない。それで自信を持って推せる「せやま基準」を作り、その基準に見合った工務店しか紹介しないようにしています。
せやま基準をクリアした工務店を、「せやま印工務店」と呼んでいます。
いまは、「家なんかにお金をかけるな!質を担保しろ!」という考え方に共感していただいた施主さんに「せやま印工務店」を紹介して、私は工務店から紹介料をいただいています。ビジネスモデル自体は完全にアフィリエイトですね。
なるほど〜。そういうことなんですね。
このスキームだと、自分から紹介先となる工務店を探しに行かれているってことですよね。
そうですね。
おかげさまで最近はYoutubeが人気なこともあって、工務店側から「ウチも“せやま印工務店”に登録したい!」と連絡をいただくケースも多いです。
ただ、応募してきた工務店がヤバそうだったら普通に断りますし、惜しかったら教育しなおして、「せやま印工務店」への登録を一緒に目指します。
なるほど。
どれくらい基準って厳しいんですか?
登録合格率が40%くらいです。
家の性能・仕様だけではなく、価格の上限も細かく定めていますので、この厳しさが、施主(ユーザー)にはウケていますね。
ガチな「せやま基準」があるんですね。
そう。工務店で接客する人も、僕が作った筆記試験と面談に合格しないとダメ。
え、テストさせるんですか?メッチャ強気ですねw
はい。基準に届かない工務店は、審査落ちです。
むちゃくちゃ上から目線でやってます。笑
普通のアフィリエイターは「審査通らせてください!」と広告主さんにペコペコするのが普通なのに、、、立場が逆なんですね。
強気すぎて笑えます。
周囲の利害関係者をコントロールして「3方良し」を実現する
施主(お客さん)さんにウケているのは、「このプロジェクトを施主のものだ」とブランデイングをしているからです。
施主にとってデメリットのあるものは一切やらない。なので、先ほどの審査が厳しいと言うのも全部ここに立ち返ります
施主が納得できないものはバシバシ切る。これが第一です。工務店側へのメリットももちろん作っていますけどね
圧倒的なユーザーファースト…..
たとえば自動車業界って、いうて悪いクルマは売ってないじゃないですか。どの車を買っても大失敗はない。ベンツを買っても、フィットを買っても、どちらも機能的には問題がない。
一方で、右側の住宅業界はこんな感じで、合格ラインを下回ったヤバい家ばかり売られているんです。これは国土交通省と工務店の関係があったりして、昔からの工務店が商売できなくなっちゃうんで政府も基準を上げずに許してるんですよ。
なのでBE ENOUGHでは、施主さんが真に満足できる”家づくり”に辿り着けるよう、「家づくりで失敗しない、ちょうど良い塩梅の家づくり」をテーマに情報を発信しているんです。
なるほど。。。。闇が深い….
この話、載せても大丈夫ですか?
もちろん、いいですよ笑
家づくりって「自分の家が果たしてよかったのか?」と言う検証する術がないので、売る側からしたら最高に相手を騙せる商材なんですよね。
ウチは、施主のことをクルーと呼んでいるんですけど、彼らは潜入捜査員の側面もあるんです。工務店に行った時に、ちゃんと仕事をしていたか?基準を守っているのか?とアンケートをとっています。
なるほど。紹介先の工務店の質が維持されているか、常に監視している状態なんですね。
そうそう。「この基準から落ちたら、今後紹介しませんよ」という態度をとっています。
図のように、「一つ星」から始まって、アンケートの結果が好評であれば、ふたつ星にランクアップする。逆にダメだったら1回目イエローカード、2回続けばレッドカード退場、今後は紹介しない。そういう仕組みにしています。
ミシュランや食べログみたいなもんですね。
普通のネットメディアは、ユーザーと広告主を集めるのが精一杯で、広告主さんを格付けする側にまで回れませんからね。
マジで凄すぎます。
いや、本当は紹介工務店をたくさん集めたいですよ?? ただ、それだと結果的に、長く続かないと思うんです。
その感覚はマジでわかります。(言うはやすしの領域ですが・・・)
ちなみに、ここまで厳しく工務店サイドの動きが監視されると、工務店が辛い気がするんですが、メリットとかあるんでしょうか?
ちゃんと真面目にやっている工務店からするとメリットしかないんですよ。
BE ENOUGHから紹介する施主は、だいぶ仕上がった状態で工務店に送客しているので、2-3回の商談で家を作ることが決まります。
工務店側からしてもありがたいと言われます。
あぁ〜、確かに。
ちゃんと良い基準で家を作っている工務店からすると、別に「せやま基準」って悪いものじゃないんですもんね。
基準の高い工務店さんと施主さんを繋げて、瀬山さんも儲かる。まさに三方良しですね。
SNS全盛期は、真面目で誠実な人が生き残る
いやぁ、面白い話が聞けました!
他のメディアやコンテンツを扱おうとは思わないんですか?
僕、完璧主義なところがあって、下手な情報を発信できる気がしないんです。中田あっちゃんみたいに、人が書いた本を解説することができないんですよね。それを深掘りするなんて、絶対ボロが出るやんと笑
むしろ僕は、どこから突っ込まれても、「お前らが考えてることなんて100年前に検討したわ!」って言えるくらい自信がある領域で発信をしたい。
それでいうと、なにかしら本業でちゃんと経験を積んでおくって超大事ですよね。
おっしゃるとおりで、僕は本当にラッキーで、たまたま住宅業界で経験を積めていたのがデカいですね。
では、最後に、SNS発信でのマネタイズのコツってなんだと思いますか?
ユーザー目線というと陳腐ですが、「自分が心の底から買いたいモノを薦める」という当たり前の感覚と専門知識の発信、この掛け合わせがお金になると思いますね。
至言すぎます。。。
先ほども言いましたが、自分はYouTubeではふざけたキャラを演じていますが、正体はただのクソ真面目くん。どこを見られても、なんら問題ない生活をしているんで、SNS時代というのは僕向きだなと思います。笑
SNS時代は「クソ真面目が勝てる時代」なんですよ。
あぁ、わかります。最近は一周回って、誠実じゃないと生き残れない風潮が出てきていますよね。
一発屋で終わらないと言う意味では、結局Webの世界も信頼の蓄積で成り立っていますもんね。
本当にその通り。
あとは、やまもとりゅうけん(@ryukke)さんの受け売りですが、「突っ込まれそうなことは先に言っておく」のも大事ですね。
僕はとにかくお金が大好きで、お金儲けがしたい。なので、YouTubeでは「お前たちは、商品じゃぁ!仕入れじゃぁ!」と言っています。
最高ですwww
でも最終的には、ユーザーの施主さんも工務店側もハッピーになっていて素敵すぎます。誰も不幸にならない形で仕事を進めていて理想のビジネスですね。
そうそう。関わった人たちに全員に儲けてもらう。みんなが幸せにならないと、本当に続かないんで。
この事業をやっていけば、最終的には世の中に瀬山の認知も広まっていくだろうし、ゆくゆくは「住宅業界をよくしたのは瀬山だ!」に着地できると本気で思っているんで。
そうやって世の中が「せやま基準」に追いついたら、僕の「偉人になりたい!」という欲求も叶えられるかなぁと思っています。
いやぁ、まじで良い話すぎます……。
あと、経営者って「偉人になりたい」って欲を持たれている方多いですよね。僕の周りだけでも、瀬山さんに似た方、たくさんいらっしゃいます笑
本日は、貴重なお話どうもありがとうございました!!
BE ENOUGHの人気コンテンツ
こちらは、瀬山さんイチオシの人気コンテンツです。
どういったスタンスで家づくり情報を発信しているのか? コンテンツカテゴリーが異なる情報発信者もメチャクチャ参考になると思います!
また、ちょうど住宅づくりの情報を求めていた方は、ぜひ瀬山さんのYouTubeとブログを読み込んでおきましょう。
編集後記
「アフィリエイトはオワコン」と言われていますが、その本質は「参入障壁が低いゆえに競争過多になる→最終的に泥試合になり、誰も利益を得られない」ところにあると思っています。
その点、せやま印工務店は、ご本人の知見や営業力でMoat(事業を外敵から守るお堀)を築き上げていて、ビジネスモデル的にはアフィリエイトなものの、ビジネスがサステイナブルなものになっていると感じました。
メディアビジネスも総合格闘技の模様をなしてきています。
瀬山さんのように、そう簡単に人がやらなさそうな「ひと手間かけた工夫」をこらすことで、個人メディア業にも競争優位性が出てくると改めて勉強になりました。
アフィリエイターやメディア人は是非是非、参考にしてみてください!
コメント