マーケティング戦略を考えるとき、よく使われるのが4P(Price、Place、Product、Promotion)です
4Pフレームはマーケ基本のキ。商売をするなら絶対に必要な視点です。しかし、4Pにも欠点があります。この4Pは、完全に売り手目線なんです。価格(Price)をいくらにするか、商品(Product)のどこに注力するか等、すべて企業側の論理なんですね。4Pでモノを考えていると、買い手の目線が欠落します。
そこで、本日オススメしたいマーケティングフレームが4Cです。
顧客起点でマーケティングを考えるなら4Pではなく4C
4Cとは、Cost、Convenience、Customer Valuer、Communicationと顧客(買い手)目線で考えるフレームです。
・Cost (いくら払えば手に入るのか?)
・Convenience (手に入りやすさ、楽に手に入るか?)
・Customer Value (その商品が自分にとって価値あるものか?)
・Communication (企業・商品に温度感を感じられるか?)
簡単に、4つの視点をそれぞれ説明します。
✓Cost(いくら払えば手に入るのか?)
Priceと同じように見えますが、Cost視点ではお客様が払うコスト(代償)すべてを踏まえます。単純に商品に1,980円を払うというわけではなく、そのお金を捻出する時間・労力なども併せて配慮すること。
このコスト視点があれば、「バイト3時間分のお金で、〇〇が手に入ります」なんて訴求はいくらでも思いつきます。もちろん、訓練あってですが。
✓Convenience(手に入りやすいか?)
次に、Convenience。Placeはどの場所で売るかがポイントですが、Convenienceでは手に入りやすさ、利便性まで考えます。一口にECと言っても、ターゲットにとってどの売り場(チャネル)で手に入るのが楽なのか?を考えると、モノが一気に売れるようになります。
✓Customer Value(価値があるか?)
4Pのプロダクトは商品力を磨くこと。実際にモノが売れるには、顧客がその商品に価値を見出さなければなりません。もちろん、商品を作ったあとに、どういった価値を見出してもらおうか?とプロダクトアウト的にマーケ戦略を考えることもあると思います。しかし基本は、顧客が価値と感じることから逆算されたプロダクト磨きがベストです。
自社商品には、どうしても愛着やサンクコストバイアスがかかってしまうもの。折に触れて、「ところでこれって、買い手にとって価値はあるの?」と問うのはがオススメです。我に立ち返れます。
✓Communication(商品に温度感を感じられるか?)
4Pのプロモーションは、いわゆる販促。Promotionが「これ買ってください!」と一方的な押し付けに対し、コミュニケーションはコトバの通り、双方向のやりとりです。
最近は、販促のような押し売りではなく、SNS上でのコミュニケーションやnoteでの自社発信でモノが売れる時代。顧客に「これっていいな」と思ってもらえるコミュニケ―ション方法を考えてみる、これがPromotionとCommunicationの違いです。
4P&4Cの両刀で、顧客と自社のWin-Winを目指す
実は、4C思考にも欠点があります。4Cはすべて自社がコントロールができません。たとえば、顧客が手に取りやすいと思ってもらうために、会社が実際にできることは正しいPlaceを選ぶこと。つまり、結局のところ、売り手にできることって4Pなんです(笑)
なので、4Cを起点に思考を広げ、4Pに落とし込む。This is 大事。
また、究極的に4C思考だけですと、自社利益を追う視点が抜け落ちます。商品価格を1円にして、すべてのお店に置いたら、きっと売れるはずです。でもそれだと儲からないですよね。
会社の売上も大切、でもそのためには大前提として顧客に満足していただかないといけない。この自社と顧客をWin-Winにするためには、4P視点⇔4C視点を何度も何度も行き来することが大切なんです。
【最後に】コトバの概念1つで思考が変わる
ぶっちゃけ4Pも4Cもコトバの違いで、モノを売るためのフレームという意味では同じです。4Pフレームを使うときも、商品・サービスを手に取る顧客を考えながら、マーケ戦略を具体的な戦術に落とし込むわけですから。
とはいえ、コトバ1つで視点・視野が変わるのもまた事実。
目の前に広がる白紙のフレームを見たときに、
・Promotionは、何をしようか?
・Communicationは、何をしようか?
では、頭から湧き出るアイデアが大きく変わってきます。これが、コトバ・コピーの力です。
顧客視点が大事と耳にたこができるほど言われていますが、まずはコトバから買い手目線に立ってみること。「顧客視点に立つのが苦手、想像力があまりない」とお悩みの方は、まずはコトバから顧客目線に入ってみてはいかがでしょうか?
ということで、本日は4Pと4Cの2つの視点を併せ持つことについて書いてきました。
何かしらの参考になれば幸いです。
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